Astechno の hikokiphoto

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2024.1.2 羽田空港での衝突事故について

絶対に起こってはいけない事故が起こってしまった。。。

昨夕の羽田空港での日本航空機と海上保安庁の機材の滑走路上での衝突事故。発生直後からTVのニュースを見ていたが、前輪を破損しほぼ胴体着陸、しかも炎上する機体を見て相当な犠牲者が出るかも、という不安がよぎったが、幸いにも日本航空機の乗客と乗員、379名全員が無事に脱出したという知らせを見て至極安堵した。 奇しくも前日の能登半島での大地震で犠牲者の数がどんどん増えている状況で、またもや大惨事とならなかったのは良かったのかもしれない。ただ海保の飛行機乗員は6名中5名が死亡していることは無視できる話ではない。

 

大空に飛び立つ姿も一際美しい機体

事故当初映し出されていた映像で、すぐにこの機体がA350であることが認識でき、しかもC滑走路ということで札幌からの便だと想像できた。 便名や機体番号はFlightraderからの特定で新千歳発JL516便、JA13XJであると判明した。 停止して消火がされている当初はエンジンからの出火以外は比較的火の廻りが少なく見えたが、すでに一部客室内にも火がついているのを見てこれは全員救出は無理かと思わされた。 その後急速に火が機体全部を包み見るみるうちに消失する光景を目の当たりにした。

 

伊丹空港から力強く離陸する勇姿

このままだと令和の航空大惨事になるかと考えていたが、乗客全員脱出、という一報が入り気持ちの中でガッツポーズをとるくらい嬉しさが込み上げてきた。 その後、NHKのカメラで捉えた衝突の瞬間映像が流れていたが、よくあの状況で乗客全員が助かったなと感心させられた。 この奇跡とも言って良い脱出劇は偶然だったのか、単に幸運だったのか、と言う事だが、それはやはり、最新の機材であるA350という飛行機がそれだけの性能がある事で、ある意味必然的に全員の命を救ったのだと確認している。もちろん、これを操るパイロット、および日頃から厳しい訓練を積んできたCAの皆さんの努力あっての事であるが、こんな最悪な状況でも乗客が助かるということ、これは何物にも変えられない実力だろう。

現代の航空機事故は一つの要因で発生することは滅多になく、いくつかの複合要因が重なって発生していると言われている。 今回も事故当時が昼間だったら、おそらくJALパイロットが滑走路にある海保の飛行機をもっと早く認識して着陸をやめていたと思うし、海保の飛行機が今回通常の離陸地点から手前の侵入路(Cー5)からインターセプションせず、本来のエンドまでタキシングしていたら、暗くてもJAL機からの認識ももっと容易だったように思える。当然本来の位置まで移動する時間があるので滑走路侵入すらできなかった可能性もある。

こうしたいくつかの偶然が重なり発生した事故だと思うが、やはりヒューマンエラーは基本不可避という前提でシステムをより強固にしてほしい。最新のデジタル技術をもっと駆使し、何重にも安全が担保できるように進化する必要があるだろう。 この点は上記の通りA350という最新機材が最悪を想定して様々なシステムで出来上がっていることをお手本とするのが良いと思う。

 

羽田空港B滑走路へ着陸したJA13XJ

JALが導入したエアバスの機材は今後、国際線フラッグシップ機になる予定だが利用する側も相当な信頼性を認識することが出来た。残念ながら今回破損したJA13XJは確かにかけがえのない1機だが、その犠牲を無駄にすることなく大切な経営資源として活用してほしいと思う。特にJALは過去悲惨な事故を起こしたり、整備問題で矢面にされ叩かれた過去もあっての今回の事故でもあり、これまで努力されてきたものが現実に報われたと言って良いとも思う。

 

航空ファンの1人として今回の事故をネガティブではなくポジティブな思考で捉えて今後を見守り応援したい。 最後にこの事故で犠牲になった方々のご冥福をお祈りします。