関西地区では国際便が就航するのは現状、関西国際空港(関空)のみで以前台風被害で関空が使用できなくなった際に大阪空港を代替先として検討されかなり盛り上がったが、結局は対応のための時間などの調整が難航したのと、思いの外関空のリカバリーが早かったことでその話は流れてしまった経緯がある。 一応、大阪”国際空港”という名称であるものの現実対応はかなり程遠いことがわかった。 以前から関東で成田と羽田が存在することや、海外の主要都市では複数の国際空港が存在するのは当然で、関西地区でも一部の都市向けで国際線が発着する空港を、という意見は多くある思う。現在日本とその周辺国でいわゆるシャトル便が行き交っている都市としては、
羽田(日本)/ 金浦(韓国・ソウル)/虹橋(中国・上海)/松山(台湾・台北)
といったところで、各都市間での往来が実施されている。いずれの空港もかつてはメインの空港であったが新空港開港後、比較的市街地に近いという利便性で利用客には重宝されている。自身もこれら空港はかつて主要空港だった頃にも利用したことがあるが、確かに市街地へのアクセスは容易であった。
関西では2025年の万博、さらには統合型リゾート(IR)の整備によるインバウンド需要取り込みを見据えてこうした論議が活発化している中、神戸空港を拡張してその一部を国際線にも利用する案が出ている。すでに空港設備や連絡橋の拡張工事は始まっている模様で、本当に国際線発着が実現すれば関西も盛り上がるのではないかと期待する。
神戸空港は開港時様々な紆余曲折もあったが、現在はKANSAI AIRPORTという会社に統合されて大阪伊丹、関空と共に一つの民間会社が運営している。就航している航空会社はスカイマークを筆頭にANA、ソラシド、フジドリーム、AirDOとなり、以前に比べると随分と就航地が増えているので、多少たりとも伊丹空港の補完的な役割は果たしていると思う。なぜかLCCはまだどこも参入しておらず、空港の活性化のためには今後の課題かもしれない。
神戸空港の良い点は、少なくとも神戸市とその周辺地域からのアクセスが便利という点、それと沖合にある空港なので基本的に24時間の運用は可能で、門限が厳しい大阪伊丹に比べて飛行機の運行上の融通が利きやすいこと。欠点としては現状、大阪湾上空で伊丹便と関空便が交錯する関係で時間によっては過密になやすく、便数を増やすには新たな航路の整備が必要になる点だと考える。
神戸空港上空は関西空港に離着陸する飛行機がちょうど旋回する様子が見える。特に南風の場合は着陸する飛行機も低空で通過するので望遠レンズでの撮影ができるくらい関空との位置関係が近接であることを実感する。また伊丹を離陸して西日本、南西へ向かう飛行機も神戸空港上空を通過していくのでやはり増便にあたり航路整備は不可欠かと思う。
今後の神戸空港、さらには大阪伊丹空港の運用がどうなっていくか、関空へのアクセス改善がどれだけ進むか注目度は高い。