関西の空の玄関である関西空港 。今年で開港から30年を迎え、来年開催予定の大阪万博 を控えて現在ターミナルは鋭意改装中。
開港当初は3500Mの滑走路1本だったが、その後4000Mの平行滑走路が完成し、国内では唯一最長級の滑走路2本を有した24時間稼働の巨大空港 。
個人的には偶然ではあったが、1994年9月の開港当日に北京出張の際にこの空港を利用したこともあり、以降、数え切れないほど利用した空港でもある。
あの時代、海外に出る便で使用される機材のほとんどがB747 (ジャンボジェット)だった。上海、台北 、香港、北京、ソウル、シンガポール 行きのJAL 、CX、SQ、CA便はほぼ当時の花形機材である、B747-400 だった。
その後時代は変わり、ジャンボジェットも国内外で姿を消しつつあり、その代わりに中短距離路線では中小型機を使ったピンポイント運行が主流となってきた。
航空写真を撮る側とすると、機体はやっぱり大きい方が迫力があり絵になるので寂しい所。
現在、世界で使用される大型機の代表格であるB777 -300ER
関西空港 にはそれでもまだまだ大型機と呼ばれる機材は多く乗り入れており、コロナ前まではエアバス のA380 での乗り入れもあり、現在はB777 −300ER、A350 -1000もアジアの航空会社を中心に飛来している。
B787 では最長の胴体となる−10も見ることができる
特に、コロナ禍が明けてからのインバウンド需要が凄まじく、韓国や台湾、ベトナム 、タイからの訪日客の需要に対応して各国の航空会社も大型機材で1日数便往復するなど、アジアの勢いが目立っている。 今後、VISAの要件次第ではインドからの訪日客も増えるだろう。すでにエアインディアはTATAグループの資金をバックに、大型機材の大量発注を実施しており、これらが日本路線にも充当される可能性は高い。
他方、LCC と呼ばれる航空会社は比較的小型の機材で機動力を生かした運行で日本路線に攻勢をかけている。韓国、香港をはじめ東南アジア系の航空会社はA321やB737MAXといった中型機というよりもむしろ小型機派生の機材でタイ、マレーシア、ベトナム を結んでいある。もちろん、台北 経由便などもあるが、より多くの需要を満たす上で重要な戦略と言えそう。
単通路機でも5000kmレベルの飛行が一般的になった
昨年秋から就航したBatikAIR. 台北 経由でタイのドンムアンと結ぶLCC
単通路機で4、5時間のフライトと言われると年長者には厳しい感じが強いが、若者にとってはその分、安く行けるので問題ないのだろう。
日本のPeach も仁川、台北 への便を復活させ、更にバンコク へも就航。
前段で記した通り、我々の世代は海外は大きな飛行機で、というのがありどうしてもLCC ではなく大型機中心のフルサービスの会社には引き続き関空 への乗り入れを継続してほしい。
タイへはやっぱりこのような飛行機で行きたい
アジアのインバウンド需要で賑わう関空 だが、現時点では欧米路線が至って寂しい状況。この面では今年夏以降、以前の路線が復活できるか注目したい。特に羽田の枠は限界に達していることもあり、欧州主要都市や北米からの便が関空 にも流れると良いと思うが果たして?
かつてはBAの定期便もあったが
ミュンヘン へ行く便も就航していた
AIR FRANCEはコロナ禍を通じて今も関空 便を継続している。
地元民だが関空 については未だに不満がある点として、やはりアクセスの不便さではないかと思う。今でも大阪市 内から1時間程度はかかる。近隣地域だと2時間以上は当たり前。この点30年経過してもそれほど大きく利便性が改善されたとは言えない。あと何年かすると大きく変わるようだが、来年の万博までには間に合わない。
関東の成田空港はこのところ鉄道での所要時間も大きく短縮されていて、先日利用したが特急料金なしでもかなり早く都内から行くことができる。
神戸空港 は現在は国内線のみで運用
この先、伊丹に国際線が復活する可能性はほぼ皆無と言えるが、万博へのインバウンド需要への対策として神戸空港 の国際化は決定しており、着々と準備が進められている。神戸も海上空港 ゆえ理論的には24時間稼働できるポテンシャルは持っているが、空港周辺のインフラはまだ不足している。 現在は関空 、伊丹、神戸は関西エアポート という一つの会社なので上手く連携してシナジー効果 が出せれば良いが。